第30話 ハワイのホテルで…

これは、20代後半の頃だったと思う。
もう、ロスに住んで数年経った頃。
仕事先の社員旅行に招待されてハワイへ行った♪
その会社はロスと東京に事務所があり、ロスと東京の中間地点のハワイで慰安旅行という事になり、社員ではないけれど僕も無料で招待してもらった。
20代後半だった僕は、東京の若い社員達と息投合し、ホテルの1部屋に6人程集まり、UNOで盛り上がっていた。
アメリカの典型的なホテルをご存知の方は想像が付くと思うけれど、
図のように、廊下から部屋のドアを開けると右手にバスルームのドアで、左手にクロゼットの引き戸
中に入るとそりゃ当然ベッドが在ります。
ベッドの横のちょっと広い部分の床で6人がUNOをやっていました。
僕は青の丸に座っていたのですが、しばらくすると正面に座っていた(ピンクの丸)女性の同僚がちょっと不思議な顔をしながら僕の肩越しに僕の後ろの何かを見てるのです。
何かを見てるというか、何かを探しているというか、いずれにしても不思議そうな顔をしているのです。
他の同僚たちは気が付かなかったようなのですが、彼女はちょうど僕の真正面に座っている為、僕には彼女の不思議そうな顔が気になって仕方が無かったので
「どうした?誰か居るの?」と聞いた所
全員に一旦UNOをストップして欲しいと言った後
「今、6人でUNOをしてるよね? 部屋には元から6人しか居ないよね?」と言い出すのです。
彼女は、バスルームから誰かが出て来て、ドアの前を横切り、クロゼットに消えた人が居るのを見たそうなのです。
最初はメンバーの誰かがトイレに行き、そのまま間違えてクロゼットの方へ進んでしまったか、
それとも脅かそうとしてわざとクロゼットに隠れたのかと思ったとの事で、
でも、よく考えると最初はUNOに加わったり、休んでたりしたメンバーが、今は6人全員でUNOをプレイしているので、他には誰も居ない筈なのです。
確かにその通りで、最初は誰かがベッドに座って休んでいたり、誰かがトイレに行く時に交代したりしていたのですがその時は全員がUNOを囲んで座っていたのです。
つまりその部屋には最初からは居なかった誰かが、バスルームから出て来てまっすぐ横切って、クロゼットの中に消えたという訳です。
もちろんクロゼットの中を覗いてみましたが誰も居ません。
僕にとっては、その部屋に自縛霊が居るとか、誰の霊だったんだろうとかよりも
「また、俺は後ろを向いていて見えなかった」
という事の方がとっても気になりました・・・・・
