第36話 座敷わらし
これも僕のこれも友人の話です。
僕の友人が彼女の家の居間で本を読んでいたら、どうも廊下の奥のトイレのドアがパタンと閉まったような音が聞こえたそうなのです。
両親と同居している彼女ですが、その日は両親は出かけていて家には2人しか居ないはずです。
「誰か居るのか?」と彼女に尋ねると、
「あぁ、何か聞こえた?気にしなくても良いよ♪」と彼女はにっこり笑って答えるのだそうです。
『気にしなくても良いよ』って、一体どういう意味なんだろう?と、ちょっと怪訝にしていたら、
今度はしっかりトイレのドアがバタンと閉まって廊下をパタパタパタと走って階段を上り2階へ駆け上がる足音が聞こえます。
あまりにもハッキリ聞こえたので、本から目を離し顔を上げると彼女と目が合ったのですが、彼女はちょっと困ったようににっこり笑って
「ウチね、子供が住んでるのよ・・・・」と笑いながら言います。
「????」
意味がわからず彼女の言葉が続くのを待っていると、
「2階の私の部屋に子供が何人か住んでいるらしくて、私が下でお母さん達とテレビを見てると誰も居ないはずの2階で子供が走りまわる足音が聞こえたり、今みたいに廊下を走ったり、階段を駆け上がったりするのよ・・・」
不思議そうな顔をして聞いている彼に、
「別に何か悪い事をする訳じゃないし、慣れちゃうと気にならなくなるよ・・・・」
「それに、たまに2階の私の部屋を散らかしたままで下でご飯を食べてテレビを見て上がって行くと床に散らかったままだった本がちゃんと本棚に戻してあったり、掃除してくれたりする事もあるのよ・・・・」
その話を聞いた数日後に彼自身も彼女の部屋に泊まったのだけれど、夜の間ずっと子供が部屋の中をパタパタパタパタ走りまわり、明け方になると彼の頭の回りでパチパチと手を打ったり、とてもじゃないけど寝れる状態じゃなかったらしい(笑)
彼女は、「普段見かけない人が来たから、喜んで騒いでいたんでしょ・・・」と相変わらずにっこり笑って答えていたそうだけれど・・・・・。
俗に言う「座敷ワラシ」って奴なのかも知れないけれど、「あぁ、座敷ワラシでしょ・・・」で片付けてしまうのも実はおかしな事かなとも思う(笑)
存在の説明は出来ないけど、ちょっといたずら小僧だけど危害は加えない「座敷ワラシ」と思うと殆どの人はこわくなくなるのだろうけど・・・・・
僕自身も霊が同居していた事は何度かあるから、この彼女の感覚は良くわかる。
それが、座敷ワラシと呼ばれようが自爆霊と呼ばれようが、実際に居る物は居るんだから存在を認めない訳には行かないし、なんと呼ばれようがそれが誰だろうが現実として自分に危害は加えないモノ達なのだから、好きにさせておこう・・・・・って思って居たんだと感じる。
居るのか居ないのか?
出るのか出ないのか?
何の為に?
何をしたいのか、何か伝えたいのか?
分かろうとするから逆に怖くなったりする訳で、「居るの?あ、そう・・・」とにっこり笑っている方がよっぽど怖くないのだろうと思う。
だた、霊に対して「こっちからは見えないのにちょっとずるいなぁ・・・」とは思うけど(笑)
僕は意地悪をしたり、怪我や病気をさせたり、悪意を持った霊の体験があまり無いからそう思えるのかも知れないけれど、逆に霊が理由も無く無差別に意地悪をする事の存在があまり信じられないでいる。
