第58話 キャンプ先の霊

高校生の頃の事を思い出しました。
中学校時代から仲良しだった友人たち5人で夏休みにキャンプに行く計画を立てていたんです。
僕も楽しみにしていたのですが、夏休みに入ってアルバイトを始めて休みの都合が付けられずに行けなくなったんです。

キャンプから帰ってきた友人たちに聞くと
ビーチに着いてどこもここも人で一杯だったのでちょっと外れにテントを張ったそうなんです。
昼間はにぎわっていたそこは日が暮れ始めると、誰も居なくなり彼らだけになったそうです。

昼間散々遊んで疲れた彼らは、夕食を調理して早めに寝たそうです。
静まり返った夜中にテントの外で何かが動き回っている気配(音)がしたそうなんです。
4人全員が起きていて、薄気味悪いので皆がそれぞれ
「おい、誰か見に行って来いよ・・・・」と言い合っていたのですが
突然 「ガラガラガラ〜ン」とナベをひっくり返すような大きな音が響き渡り、
誰かが自分たちのナベや食器を盗みに来たのだと思うと急に元気が出た彼らは、一気にテントの外に飛び出したと言っていました。

ところが、懐中電灯でいくら辺りを照らしても人影も犬も何も見当たらないのです。
そして、ゴミ袋にまとめて入れていた残飯がきれいにひとつひとつ外に出されているのだそうです。
犬の足跡も有りませんし、勿論人間の足跡も有りません。
「カラスだろう・・・・」とも思ったのですが
誰かが「夜中にカラスが飛ぶかよ・・・・」と言ってそれも却下です。
その夜は
「訳がわからないけれどとりあえず被害は無いし・・・・」
という事でまたみんなテントの中へ戻りました。

翌朝、帰り支度で片付けをしていると当番で海の管理人をしているという地元のおじさんが見回りに来ました。
おじさんは
「ほう、キミらはここでテント張ったんか?」と声をかけてきました。
「ここは駄目だったんですか?」と聞き返すと
「いや、そんな事は無いけどね・・・・・」と言い
「でも、夕べ何も無かったか?」と聞きます。
みんな顔を見合わせながら、
「実は、夜中に誰かがナベを蹴っ飛ばして・・・・ゴミ袋が・・・・」と
昨夜の出来事をおじさんに説明しました。

「昨年、キミらがテントを張ったちょうどそこに水死体が上がってな・・・・・」
「ほら、そこに海の家があるだろ?」とおじさんはすぐ近くのさびれた海の家を指差します。
「去年は毎晩その海の家を誰かがノックするんだそうだ・・・・」
「そこで働いていた人が『こんな時間に誰だろう?・・・・・』と外へ出てみると、そこには誰も居なくて・・・・」
「玄関先の木の床に、濡れた裸足の足跡が点々と付いているんだそうだ・・・・」
「それが何度か続いたんで、あの海の家は今年は営業していないんだ・・・・」
「今年は訪ねる相手が誰も居なくなったこの浜にキミらがテントを張った訳だからなぁ・・・・」

これは、まぁ良くある事だと思うんです。
でも、僕が不思議なのは
『どうしてみんなと一緒に行くのを楽しみにしていた僕が行けなくなったんだろう?』って事なんです。
それこそただの偶然と言えばただの偶然です。
でも、この時から既に「本当だったら僕だって見てるはずなのに・・・・」というのが続いているんです。
確かこれはUFO事件の前の年だったと思いますから、UFO事件とは全く関係無いと思います。
単に僕は霊を見ないんです。
見れないと言った方が正しいかも・・・・・

 

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